番外編①仏壇は本当に必要なのか?
番外編①
仏壇は本当に必要なのか?
現代では、住まいの都合や金銭的な都合により仏壇を置けない家庭も増えています。
仏壇を置きたい、けれどもさまざまな事情で置けない、または置かないケースが増えてきています。実際、弊社で設計する新築住宅では1割ほどで、9割の方は、仏壇のない世帯が実情です。
私の場合は、父が分家初代で両親が健在なこともあり父の家にも私の家にも仏壇はありません。
中古住宅では、仏壇がそのまま置かれたまま売却されるケースも少なくありません。
仏壇の世話人が高齢になり、施設入居等した場合に、仏壇を置きたくても置けないという状態にもなります。
仏壇は、夫の家系に置くことが多かったと思います。
ところが、妻側の先祖を祀る人がいなくなると、仏壇を妻が引き受ける状況になることもあるでしょう。
そのような場合に、宗派が違うことで起きる祀り方のトラブルを避けるために、あえて仏壇を置かないという選択をするケースもあるようです。
ここでは―。
「仏壇をまつることにしましたー。」
「その場合は?」
建築家として、家相家として―。
お話しします。
「これだけは知っておこう仏壇の祀り方」
「では!」
「お尋ねします。」
「何宗ですか?」
・・・と言われたら―答えらるようにしておきましょう。
仏壇は、一家の心のよりどころであり、仏壇をきれいに正しく祀ってある家庭は、必ず栄えると言われています。
仏壇は「お墓の」遙拝所(ようはいじょ)であり、仏壇に向かって、手を合わせ、お線香を焚くことは結局、お墓に向かってそうするのと同じなのです。(遙拝所:遠く離れた所から神仏などをはるかに拝むために設けられた場所。)
したがって、お墓があるのに、仏壇を祀らないといったことやお墓が無いのに仏壇だけある・・・いずれも片手落ちになっているということになります。
◎祭壇は座して礼拝する時、頭が上に向かないようにしてください。
◎仏壇の方向は東から南方に祀るのが吉(方位は関係ないという団体はあります)
◎本尊は立像でも座像でも、貧弱な姿は凶、福相の姿を祀ってください。(※福相:幸せを呼ぶ人相をいいます。)
- 真言宗
右側 弘法大使軸物
正面 観音立像(大日如来より良)
左側 不動明王軸物
- 天台宗
右側 天台大使軸物
正面 阿弥陀如来(寺門派は聖観音)
左側 派祖の軸物(伝教・智証・真盛)
- 浄土宗
右側 善導大使軸物
正面 阿弥陀如来
左側 法然上人軸物
これだけは知っておこう
- 祭壇は座して礼拝する時、頭が上を向かないようにしましょう。
- 仏壇の方向は東から南方にまつりましょう。
- 本尊は立像でも座像でも、福相(幸せを呼ぶ人相)なものをまつりましょう。
- 本尊は木像が吉 金物や石の仏像はさけましょう。
- 本尊一体のみを祀るのではなく、両脇に掛け軸を掛けましょう。
- 仏壇の生花は高くしないこと
- ローソクの火は途中で消さないこと
- 他家の先祖を同一の仏壇にまつらないこと
- 先祖からの宗教を変えないこと(分家初代はあてはまりません)※我が家の場合は、父が分家初代で墓地があるお寺が天台宗だったとこともあり、浄土宗から天台宗に改修しました。
まとめ
現代では先祖や故人を祀る方法が多様化してます。
従来の仏壇にこだわらない考えが普及していると思われます。
60%が仏壇のない家庭の今、仏壇を置かないことに対して、引け目を感じる必要はありません。
大切なことは、先祖や故人に対して感謝を伝える、その気持ちなのです。
その他「仏壇」について情報を集めてみました
・「仏壇」が子供の情操(じょうそう)に好影響 保有率低下の一方注目される効能(情操:社会的価値をもった感情で、複雑なもの)
出典:「終活読本ソナエ」2016年冬号より
保有率の低下が進む仏壇。一方で、7割近い人が仏壇に手を合わせる習慣を持つほか、仏壇の存在が子供の情操面でも好影響を与えていることを示すデータがまとめられるなどしています。
数年前より「仏壇ジマイ」なる新語も登場したようです。
仏壇を処分する一連の流れを指す新語です。「処分」という言葉より「しまい」のほうがイメージいいのかな?似た言葉で「墓じまい」もあります。
「仏壇じまい」の増加傾向は今後も続くことが予想されます。
日本は人口減少社会に突入しており、人口減少に歯止めがかからない限り、現存の仏壇を承継する人の数は不足していくでしょう。
自宅に仏壇のある家庭は全国で4割以下となっています。
賃貸住宅では8割以上が仏壇を置いていない、または置けないという調査も上がっています。
仏壇を置かない理由
①置き場がない
②値段が高い
③内装と合わない
④実家にあるため
⑤賃貸のため
⑥その他
出典:有限会社松川仏壇店HPより
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